突然の価格改定で衝動買いしたGoPro Fusionを使ってみたらいろいろ予想外で戸惑う

今まで8万円していたGoPro Fusionが突然の価格改定で半額になったのを機に、ニコンKeymission170の代替機種として俄然興味が出てきたのでとりあえず色んなキャンペーンをくっつけて買ってみました。

買ってから分かった360度カメラの事

GoPro fusionを買うまでの予備知識としては、360度すべてが同時に撮影できるので、とりあえず撮っておけばOverCaptureという機能で撮影後にクロップして普通のアクションカムっぽい動画に出来る、くらいのものでした。

撮影自体は普通のアクションカムと同様に完全にカメラ任せなので、カメラを持つ以外はやることがありません。とにかく周りのすべてが写ってしまうので、適当に持っているだけでそれなりに撮れてしまう反面、絶対に自分が写り込んでしまいます。常に自撮りモードということです。自撮りなど普段全くしないオッサンの自撮り動画が突如大量生産されてしまうカメラ。それがGoPro Fusionです。

真面目に言うと、撮っただけでは「360度撮っただけの素材」状態なのでこれをどうトリミングして編集するかが面白いところであり難しいところでしょう。オッサンの消去機能があれば嬉しいのですが。

撮影した動画を見る2つの方法

撮影した動画を見るためには、2つ方法があり、1つ目の方法はパソコンに取り込む方法で、まずGoPro Fusionによって前後180度ずつに分割され2つのSDカードに別々に保存された動画をパソコンに取り込んで360度動画に合成する作業が必要になります。この方法だと継ぎ目が目立たなく修正された高品質な動画が生成されます。

この合成作業はFusion StudioというMac、Windowsのアプリで行うのですが、この合成にとにかく時間がかかるのです。わずか1分の動画をつなぎ合わせて合成(ステッチと言います)するのに自分の環境(MacBook Pro15インチ2015年モデル)で2時間はかかります。

完成した動画ファイルはGoPro VRというアプリで見ること…になっていますが、このアプリ、標準のくせしていろいろ不具合が起きるので、もっぱらVLCという万能動画再生アプリで再生しています。

とにかく処理が重たいFusion Studio

しかしこのFusion Studioというアプリ、やたら動作が重たく、合成作業中は他の作業は不可能。メールチェックすら満足にできません。不思議な事にアクティビティモニタを見てもCPUもディスクも大して使われていないのに重たいのです。

サブマシンのMacBook Pro13インチ2013年モデルでも試してみましたが、こちらはまともにレンダリングが終わらずアプリが落ちまくります。iMac Proのようなマシンパワーが有り余っているマシンなら普通に動くのかもしれません。

YouTubeで公開されている動画を見ると1分の動画をステッチするのに5分で終わるという方がいたので、やはり処理スピードはパソコンのスペックに依存する?

Fusion Studioの推奨環境に専用GPUとそのメモリが4GBとあり、このアプリはGPUで計算しておりそのため自分のMacのしょぼいGPUだと遅いのだと思います。GPUに依存しているとすれば、アクティビティモニタでCPUがほとんど働いていないのも納得できますね。一度GPUのスペックが高いMacで試してみたいところです。

スマートフォン経由で再生する

さて、カメラで撮った動画を見るもう一つの方法として、スマートフォンのGoProアプリにカメラからWiFi経由で読み込んで、同じく前後の動画を合成する方法があります。

こちらは前後の動画の継ぎ目は荒いものの、パソコンに取り込む時のような絶望するほどの時間はかからず、少々の待ち時間で軽快に動画を閲覧することができます。ただし動画の再生には常にカメラをオンにして接続している必要があります。動画をスマートフォンのGoProアプリ内に保存すれば、カメラ無しで再生可能です。通常の動画に比べてかなり大きいファイルなので、常にスマートフォン内に入れておくのは現実的ではないかもしれません。

このアプリから360度動画や通常の動画として書き出すこともできますが、パソコンでのFusion Studioからの書き出しに比べるとさすがに継ぎ目の画質は落ちます(ズレが見える)。ですが、画質そのものは比較して見たところほぼ変わらないので通常の使用にはこれで十分な画質だと思います。

逆に、Fusion Studioからの書き出しは(繋ぎ目の処理は)高品質なものの、あまりにも時間がかかりすぎるので普段の使用には向いていません。PremiereやAfter Effectsでの作業の素材としてここぞという時に使うくらいでしょうか。そうなると「あれ?Fusionじゃなくても他の360度カメラでも良くない?」ということになるのですが…。

360度動画をどうやって見るか?

GoPro Fusionで撮影した360度動画を撮影後どうやって見るか?これは結構難しい問題です。例えば写真や普通の動画なら、あらゆるプラットフォームでサポートされているので特別なことをしなくてもすぐに見ることができますが、360度動画を再生できるアプリはPCでもスマートフォンでも非常に限られています。

GoPro Fusionで撮影したデータは他の写真データと同じようにHDDにコピーして保存するのですが、ここで問題が。一旦HDDに保存してカメラのSDカードから消してしまうと、スマートフォン内に360度動画を保存していない限りGoProアプリで気軽に動画を見ることができないのです。かといってパソコンに保存した生の撮影データ(カメラの前後で分かれている動画)を見ようとしてもFusion Studioで合成しないと見られず、レンダリングに膨大な時間が必要なのでこれも現実的ではありません。

どっぷりGoProにハマるつもりならGoPro Plusを契約しよう

これを現実的に解決する方法としてまず考えられるのは「GoPro Plus」という年70ドルほどのサービスを契約する方法です。GoPro Plusを契約するとGoProで撮った動画、写真なら無制限でクラウド内に保存できるため、カメラからデータを消してしまってもクラウドから呼び出してGoProアプリで再生する事が可能です。ただしクラウドに保存する限り、料金を払い続けないといけないのが難点です。(なんとFusionはサポートしていないとの事…!)

GoProアプリから書き出してPCに保存が現実的に最適か

もう一つはスマートフォンのGoProアプリから360度動画を書き出し(別記事に分けました)、それをパソコンに保存する方法です。この方法なら普通の写真や動画と同じように1ファイルで保存できるので、多数のファイルから構成されるGoPro Fusionの生データに比べて扱いが簡単になります。動画の解像度は5.2Kではなく4Kになるようです。

一旦360度動画にしてしまえばPCでVLCという再生アプリを使って再生する事ができます。ちなみにGoPro VRという純正アプリでも再生できるのですが、不具合が多いのでVLCで再生した方がいいですね。

また360度動画はグーグルフォトでも表示が可能です。ただ、画質は明らかに落ちてしまいますし表示がうまくいかない事も時々あり、現状ではオマケ程度に考えています。

まとめ

動画を再生するまでのハードルが非常に高いですが、PCでステッチすると心が折れますので、スマートフォンのGoProアプリで気軽に書き出すようにすれば楽しめるカメラだと思います。

弱点として、両面の魚眼レンズがむき出しでフードもガードも構造上つけられないので、GoProのイメージとは裏腹に取り扱いには非常に気を使います。そのため使わない時は常に付属にソフトケースでレンズを保護する必要があるので、いざ撮影しようと思って撮影が実際に開始されるまで、ケースを外し録画ボタンを押して…とやっていると10秒はかかります。そのため突発的なチャンスには弱いでしょう。

使用目的としてフィットするのはスポーツと旅行でしょうか。ファイルサイズが大きいため、日常的に撮るというより、イベント事で撮る方が向いてそうです。ラウンドワンのスケートコーナーで試しに撮影しながら滑ってみましたが、いい感じの追い撮り風動画が簡単に撮れます。スケート、BMX、バイクなどと親和性が高そうです。

あと、アクションカムが欲しいなら素直にGoPro hero7を買いましょう。これならなにも悩む必要はありません。

 

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